変わる中国のホテル勢力図

 ヤンセンです。
 ちょっとご無沙汰してしまいました。

 さて、今回は中国について。
 中国、なんかちょっとヤバくなってきたようだね。前にも「中国のホテル界、いまどうなってる?」で書いたけど、中国の問題はね、いろいろ複雑で簡単にはあーだこーだとは言えない。
 恒大集団のデフォルト問題も、今のところ見ていると、習近平総書記はとりあえず問題先延ばし作戦をとっていて、恒大の借金をほかの儲かってる企業に付け替え、とにかく行けるところまで、このまま強行突破で突っ走るつもりのようだ。でも、借金を付け替えられた方はより弱いところにまた付け替えるわけで、まあ、ババ抜きゲームみたいなものだね。で、それで問題が解決するわけではまったくない。とりあえず目の前の火の粉は飛ばせるけど、火の粉が飛んだ先は燃える。
 しかし何よりも問題なのは、恒大の問題は中国経済における氷山の一角でしかないということだ。

ヒルトンの筆頭株主だった海航集団も戦線から離脱

 今年の1月には、あのヒルトンの買収合戦にも名乗りを上げ、一時は飛ぶ鳥落とす勢いだった海航集団HNAグループ)が破産申請を行い、5月にはグループ傘下の13社でも1兆円の損失を出したことが明らかになった。そして、先月9月のこと。中国警察が同グループの陳峰・董事長と譚向東・最高経営責任者(CEO)を拘束した(ちなみに、共同創業者で当時会長だった王健氏は2018年7月3日、フランスのプロバンス地方を観光旅行中に誤って崖から落ちた、ということで事故死)。
 海航集団といえば、ラディソン・ブルなどのホテルブランドで知られるホテルを世界115ヶ国で1400軒所有しているアメリカのカールソン・ホスピタリティー・グループを2016年に20億ドル(推定)で買収し、同年、ブラックストーン・グループからヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスの株式の約25%を65億ドル(約6760億円)で取得して、一躍、筆頭株主に躍り出たことで知られる。また、スペインのホテルチェーン、NHグループの株式の29.5%も所有していた。

「ユニヴァーサル・ステュディオス・ホテル北京」、コレっていいの?

 さて、そんななか、10月14日に北京にテーマパーク「ユニヴァーサル・ステュディオス」が開業し、正門前にはホテル「ユニヴァーサル・ステュディオス・ホテル北京」もオープンした。
 で、このホテルっていうのが、ハリウッド全盛時代をテーマとしているそうで、客室の壁にはデカデカと「HOLLYWOOD」なんて書かれていて、アメリカン・カルチャー絶賛売り出し中! ここんところの中国政府による国内締め付け路線で、アメリカ文化的なものは続々とダメ出しで、英語塾なんかも閉鎖されてるというのに、コレっていいの?って感じだけど。
 もっといえば、「ユニヴァーサル・ステュディオ」って、言ってみればアメリカン・カルチャーの象徴でもあるハリウッドのテーマパークのようなもの。つい最近、大連で日本のテーマパーク「日本風情街」がけしからん!ということで中国政府の指示によりオープンしてわずか10日もしないうちに営業停止に追い込まれたけど、これと同じケースではないのかねぇ。こちらは日本をテーマにした中国最大規模の総合商業施設で、総工費は60億元(約1020億円)という鳴り物入りのプロジェクトだったにもかかわらず、である。
 だから、そんなのありえない!って思うけれど、外交って日本人が考えるほど、きれいごとだけで済むことや単純なものじゃない。今の米中関係のように、テーブルの上では暴言吐きまくって殴り合いしながら、テーブルの下では条件交渉してたりするもの。だから、米中関係の緊張が高まって一触即発なんて言われている中で、突然180度路線転換したニクソン・ショックのこと、忘れちゃいけないし、その時のための手を打っておかないといけないと思うんだけど。ま、忘れてるよなぁ・・・って感じだね、ニッポンの政治家たち。

恒大の前会長のホテル「ご接待の注意書き」に怒る中国庶民たち

 ちなみに、恒大についてだけど、創業者の許家印氏は、河南省の貧しい村で生まれたが、1996年に創業した恒大で安価のマンション開発のディベロッパーとしてスタートして成功をおさめ、2017年には中国富豪ランキングのトップとなったという典型的なセルフメイドマン。一時は、中国でも憧れのリッチマンだったんだが、「打落水狗」(水に落ちた犬は打て)のお国柄。いま中国のSNSで広がっているのが、ホテルのオーナーでもあった許前会長のホテル滞在時の「ご接待の注意書き」という社内メモ。ようするに、庶民としては、オーナーがこんなに贅沢してるから会社が左前になってしまい、自分たちが困ることになったんだから、個人資産から俺たちに金払えよ!ってことだね。
 その接待メモ、読むと、まあ、そんなの別にたいしたことないんじゃないのってものもあるんだけど、「食べ物は、輸入果物しか食べない。たとえば日本の温室のメロン、日本の晴王シャインマスカット」なんてくだりが、中国庶民をいたく刺激しちゃったようだ。偉くなると、どうしても言いたい、「俺さまのお通りだ!」「俺さまを誰だと思ってんだ!」。ん、その気持ち、よーくわかります。人間だもの、ね。
 でも、奢れるものは久からず、これだけは万国共通。

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