タイプ別 リゾートの選び方

(C)Yangsen

 自分にぴったりのリゾートをみつけた人は、人生における最高の「武器」を持っている。どんな時も、そこに行けば、自分に戻ることができるから。あるがままの自分自身でいられて、心からリラックスできるところが、自分にとっての「いいリゾート」だ。

<リゾート選びにおける8つのタイプ + いいリゾートの条件>

さて、あなたは何型?

「充電型」

リゾートに求めるのは何かプラスすることではなく、本来の自分に戻ること。環境をがらりと変えることで、日常生活で他者や外部環境によって崩された自分を、安定的な状態に戻すことを目的とするのが、このタイプである。自分がいちばん落ち着いて、内部の世界に入っていける環境を選ぶといい。

<たとえばこんなホテル>

JA ハッタ・フォート・ホテル(デュバイ)

オマーンとの国境に近い砂漠のオアシスにある、なぜかスイス・シャレー風のコテージホテル。オアシスというものの、めちゃくちゃ暑い。今ではホテルが林立して一大観光都市になったデュバイの街を離れ、同地の砂漠のリゾート「アル・マーハ」ほどわざとらしい作られ感がなく、デュバイに駐在中の外国人たちがふつうに週末をすごすさりげないリゾートだが、部屋にいるときは妙に落ち着き、自分に戻れるところ。

コナ・ヴィレッジ、ア・ローズウッド・リゾート(ハワイ島)

まっ黒な殺伐とした溶岩ビーチが、こんなところに好んで ひとりでいる”いい男”、”いい女”の孤独感を いい感じ に出してくれる、元祖・辺境リゾート。1960年代のオープン当時は空港から陸路では来られず(道がなかった)、船で海からしか来られなかった辺境度が高かったリゾート。かつては部屋に時計もテレビもない、というのが日常から切り離されたい人たちへの売り物だったが、時代は変わった。みんなPCやスマホ、持っている。現在はクローズ中で、ローズウッドの傘下に入り、2023年に再オープン予定。

ハナ・マウイ(マウイ島)

いにしえのハワイ王朝時代、王族たちが戦いの後にヒーリングに訪れたというヒーリング・プレイスである…と聞くと、なんだかすごく心身にいいような “気がする” リゾートで、かつてはなかなかアクセスが大変な場所にあったことも加えて、わざわざこんなところまで来た、という高揚感があったホテル。リブランドを繰り返し、今はハイアットの傘下。

センセイ・ラナイ、ア・フォーシーズンズ・ホテル(ハワイ、ラナイ島)

「ザ・ロッジ・アット・コエレ」で、オラクルの創業者ラリー・エリソンが島の98%を所有するオーナーになってから全面改装を行い、スパを充実させてリトリート色をより濃くし、名前もあらためて新装オープン。でも、なぜか以前の方がより「充電型」度は高いような気がする。

アマン・スヴェティ・ステファン(モンテネグロ)

中世の海賊たちの要塞だった島をまるごとそのままホテルにした、というのが売りで、かつてユーゴスラビアという国だった時代には、ソフィア・ローレンなど著名人たちがおしのびで訪れた”プライバシーを売るホテル” として知られたリゾートだった。が、アマンに狙われた。そして、観光地化した。ここもアマンになる前、以前の素朴な時代の方が「充電型」度ははるかに高いような気がする。作りこみすぎ。きれいに化粧しすぎて皮膚呼吸が苦しくなる感じ、とでも言おうか。

グリニッジ・ホテル(ニューヨーク)

トライベッカ地区にある俳優のロバート・デニーロがオーナーのホテルだが、ここの独特のアンビアンス、価値感に共感する人だけが来てくれればいいという感じ。押しつけがましさがなく、さらりとした距離感で、さりげないけれどやることはきっちりやるサービスのホテル。プライベート・ルーム、パブリック・スペース、ホテルの外のトライベッカの街、これらを自由に出たり入ったり。「内」にいながら「外」を感じて過ごせる。

アシエンダ・デ・サン・アントニオ(メキシコ)

「マハクア・アシエンダ・デ・サン・アントニオ」。19世紀末に建てられたドイツ人プランテーション経営者の館をホテルにリモデリングしたのは、かのアマンリゾーツ創始者のエイドリアン・ゼッカ。彼がアマンを追われ(一度目の時)、再起を図って立ちあげたマーハ・リゾーツの第一号ホテルにして最後のホテル(その後、アマンに復権したので。で、また、負けて追われた)。最寄りの空港があるグアダラハラからは車で2時間半かかり、アクセスが悪い、めちゃくちゃ行きにくい標高千メートルの辺境の山の上にある一軒宿で、完全に孤立したロケーション。日常とは切り離された隔絶した空間を、自分自身のリセットに使いたい人には最高の舞台。

「放電型」

とにかくじっとしていられずに、何かすることで自己回復をはかるタイプ。「発散」「燃焼」「躍動」といった言葉がパチパチとはじけるようなアミューズメント・リゾートが癒しの場となるだろう。ふだんは、どちらかというと、頭や神経を使った仕事をしている人に意外にこのタイプが多い。

「隠れ家型」

オンの時間にいながら、部分的、一時的に、オフの時間を求めるのがこのタイプ。中と外では、がらりと雰囲気が変わるホテルで、あたかも回転ドアのように、「静」と「動」を行ったり来たり。あるいは、ひとつのホテルの中で「社交」や「放電」の時空間と「充電」の時空間とを出たり入ったり。

「島ロマン型」

日常から離れた時間を欲し、行動形態的には「充電型」の近いけれど、メンタリティー的には【我が道を行く】タイプ。しかも、「視覚的」世界や言葉の響き、イメージに非常にこだわり、舞台設定にもうるさい。島は、外界と隔絶され、まわりには水しかないという胎内に近い状態で、たやすくロマンの世界に入れる。

「女ひとり泊まり型」

ひとことで言うと、自立幸福実践型。さまざまな経験を重ね、世間にどう思われるとか、他人にはビクとも影響されることなく、着々と自分の幸せを積み上げる腕力をつけた女性にこのタイプが多い。気分によってがらりと別人になる傾向がある。「見られる」ことを楽しむ舞台装置は絶対にはずせないポイントだ。

「社交型」

知らない人と出会い、交わることに、無上の楽しみを感じるタイプである。船旅が好きで、最大の楽しみがディナーである、などと言う人はこのタイプにまちがいない。しかし、欧米の「社交型」リゾートでは、ホテルが用意するのは舞台だけ。並ならぬ経験と技量がないと、心から楽しめないところも多いので要注意。社交は、知的なスポーツであり、ゲーム。総合戦であると心得たい。

「カップル メイクアップ型」

つきあいが長いカップル(夫婦を含む)で、マンネリ化した日常をなんとか打破して、もう一度、新鮮な関係にもどれれば、と思っている人。けれど、自力ではもうちょっと無理かな、と思っている人。このタイプの人のためのリゾートは、ちょっと、いや、かなり金がかかることを覚悟しておいてもらいたい。なぜならば、関係が崩れかけたカップルのメイクアップとは、ある種、芸術である。舞台、役者(特に優れた脇役)、シナリオ、演出のすべてが整い、それを優秀な監督が指揮してこそ、やっとこさ可能となるものなのである。

「総合ファミリー型」

子どもがいなかった時代には、親もそれなりにリゾート体験を重ねており、リゾートのすばらしさも、楽しみ方も知っている。子どもを持ったからといって、その楽しみをあきらめたくない。家族それぞれが自分の楽しみ方を知っているタイプだから、リゾートの機能を分解して、それぞれに楽しめるところを選ぶといい。夫婦にとってリゾートライフとは、平凡な日常に「喝ッ!」を入れるスパイスであり、時に「気つけ薬」のようなものでもある。

「いいリゾートの条件」15カ条 by Yangsen

1 無限の広がりを感じさせ

2 それでいて、心地よい狭さを感じさせる。

3 華やかさと静けさをあわせ持ち、

4 気配りが利くけれど、利きすぎず。

5 朝、涼やかな声で鳴く小鳥がおり、

6 夜の静けさは深海のごとし。

7 風通しがいい木陰にはハンモックがあり、

8 プールサイドには目の覚めるような美女がいる。

9 バーではつまみにうまいオリーブとチップスを出し、

10 おかわりを頼みたい時にいつもバーテンダーが目の前にいる。

11 ライブラリーにはいつか読みたいと思っていた写真集が並んでおり、

12 いい夢が見られる安楽椅子が置いてある。

13 部屋にはホンモノの薪を燃せる暖炉があり、

14 ターンダウンの時にはナイトキャップの用意をしておいてくれる。

15 あとは、うまい朝食、そして気心が知れたボーイさえいれば、何もいらない。 

Enjoy yourself!