「ホテル界の風雲児」OYO創業者リテッシュ君ができるまで

 ヤンセンです。
 世界第2位のホテルチェーン、OYO 創業者のリテッシュ君だが、27才になった今、“ Youngest Self-Made Billionaire 世界で最も若いセルフ・メイド・ビリオネア” と呼ばれるようになった。

(c)Yangsen

 コレ、27才になったリテッシュ君。なんか、やっぱ、年取ったね。下の19才の時、8年前と比べると内に秘めた冷徹さの深みが増したって感じもする。

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インドのホテル王、リテッシュ君がたどった道

 さて、リテッシュ君はインド生まれの生粋のインド人だが、華僑やユダヤ商人とならぶ商売がうまいインド商人として知られるグジャラート族など、いわゆる商業民族の出身ではない。生まれはインド東部のオリッサ州ラヤガダ出身。インド人が「インドのなかでも特に貧しい地方だね、これといった産業もないし」という、70%の人々は貧困状態といわれる貧しいエリアだ。
 そこでグロサリー・ストア(食料雑貨店)を経営する両親のもとで生まれた彼は4人兄弟の末っ子。
教育には熱心なファミリーだったようで、上の3人はエンジニアで、ふたりはMBAを持つ高学歴兄弟。そんなか、彼はカレッジを「ドロップアウトし中退した」と言われている(というか、彼自身がそう語っている)。彼いわく「僕はファミリーの黒い羊(落ちこぼれ)だったからね」・・・とメディアのインタビューで語っているけど、これ、彼一流のおトボケで、事実は違うと思うね。彼は無駄なことはいっさいしない奴だ。8才からプログラミングを独学で勉強した彼は、学校の勉強だとかMBA、世のエリート諸君のようにハーバードビジネススクールなんかにも、まったく意味を見出さなかったから。必要ない、ただ、それだけのこと。だからこそ、最短距離でここまで突っ走ってきた。
 2012年、19才のときにOYO Rooms の前身となる「Oravel Stays」を創業。予算に応じた宿泊施設のポータルサイトを作った。
 グローバルなビジネス界での躍進の契機となったのは、「ティエル・フェローシップ・プログラム」に応募し、アジア人として初めて20人のフェローに選ばれたこと。PayPalの創業者でベンチャー・キャピタリストとして知られるピーター・ティエル氏が20才以下の若者に対してサイエンスやテクノロジーの研究や起業を支援するという2年間のプログラムだ。このフェローの条件というのが大学など学業は今すぐやめて事業に専念すること。リテッシュ君もこれにしたがいビジネスに専念、3年後の2015年にはインド最大のホテルチェーンとなったってわけだ。
 孫正義氏も早くからこの若者に目をつけ、2015年から1000億円あまりのカネを投資してきた。孫正義氏も彼とおなじくセルフ・メイド・マンで、独特の嗅覚がある。たぶん、この若者に自分と同質の匂いを感じたんだと思うね。
 リテッシュ君がどんなホテルビジネスを展開したかについてはまた次の記事で。

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