ヤンセンです。
ここにもうひとり、ホテル界を虎視眈々と狙う20代の若者がいる。今年の1月、アコーグループが所有するアフリカのホテル、1602軒をまとめてポンと買ったファンドがあった。それらのホテルは、コートジボワールの最大都市アビジャンやダカール・ラリーで有名なセネガルの首都ダカール、カメルーンなど、サハラ砂漠以南の海に面したエリアにあり、いわゆる地域内のビジネス・トラベラーに利用されている。
いったい、どこの、誰が?
そのファンドを指揮している人物とは、サム・クラウザー君、弱冠25才。今回の巨大買収により、アコーグループに代わってサハラ砂漠以南のホテル界のリーダーシップを握ることになり、アフリカのホテル界の「ゲーム・チェンジャー」と呼ばれるようになった若者だ。今回、彼が買収したコートジボワール、セネガル、カメルーンの3国は、ここのところアフリカの中でも経済成長が堅調で、ツーリズム需要も高いため、コロナ収束後は大きな利益が見込める、と踏んだようだ。
将来性があるものを、できるだけ安く買い、高く売る。ビジネスの基本である。コロナでホテル業界が疲弊し、値段が下落している今、コロナ後のリカバリーを見込んで世界各地のホテルを買い叩いている投資家は多いが、サム君、いい度胸している。
さて、この若者サム君だが、ビジネス人生のスタートは IT である。すでに高校生の時に、オーストラリア政府のサイバー・セキュリティー・プロジェクトに参加を求められるほどで、その筋では抜きん出た実力は知られていた。その後、グローバルな投資銀行など金融機関の “レッドチーム” (組織の効率性を改善するため、対象となる組織に対して “敵” の役割をする) の仕事をした。
そして、今から6年前の2015年に創業したのが、今回のアフリカのホテル買収にもあたったカサダ社である。彼が19才の時である・・・ってことは、この前の記事、若き「ホテル王」OYO オヨのリテッシュ君と起業は同い年ってことだな。
サム君、まずは得意分野であるサイバー・セキュリティー事業からはじめたが、すでに実力は知られていたので順調に事業は伸び、23才の時には500%の収益成長率を達成し、650万ドルの資金を手元におさめていた。
そんなサム君が次に手がけたのは投資家であり、狙ったターゲットはホテル界だった。リテッシュ君も、サム君も20代。ともに IT ネイティブの IT 坊やたちだ。ホテル界もそろそろ代替わりって感じがするな。
若者たちよ、どんどん、やれ!
ホテル界をぶっこわせ!
なんだか、ホテル界、おもしろくなってきた。
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