2021-07

ホテルルポルタージュ

世界の王室とホテル

(C)Yangsen ヤンセンです。  ちょうど今頃の季節だったけど、昔、ロンドンの「リッツ」の廊下でお付きをいっぱい連れたデュバイの王族におおげさに頭を下げて挨拶されたことがある。ちょうどロイヤルアスコット競馬の時期でね、世界各地から馬主たちがロンドンに来ていたんだな。「ジャパニーズ?」ってうれしそうに笑って聞かれたけど、思えばあの頃はまだ、世界における「ジャパン」ブランドの価値は高かったんだなー。今はもう見る影もないほど下落しちゃってるけどね、ん。 そういえば、ホテルにも投資している世界の王室ってけっこういたんだよなぁと思って、あらためて調べてみた。 まず、世界の王室っていったいどのくらいあるのかというと、26くらいあるらしい。なかでも有名なのはなんたって英国王室で、ロンドンのリージェント・ストリートなんかも王室保有で資産は約1兆円って聞いて、へぇ〜、すごいんだなぁと驚いたけど、いわゆる "金持ち度" でいうと、実は英国王室はそれほどたいしたことがない。ベスト10にも入らない。 すごーく大金持ちな王室ってどこ?  じゃあ、どこの王室が大金持ちなのか? 1位
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ハイアットってどんなホテルブランド?<後編>

  (C)Yangsen ヤンセンです。 <前編>の続きです。 実はハイアットっていう会社、2009年に株式公開するまでいわゆる非公開会社だった。どういうことかというと、ようは勝手に株の売買や譲渡ができない会社。知らないうちに株を買われて乗っ取られたり、経営支配権を奪われたりといったリスクを避けるために、あえて上場せず非公開にしている有名企業もけっこうある。日本でもサントリーなんかがそうだ。ハイアットの場合、オーナーのプリツカー家が銀行も持っているアメリカ有数のリッチ・ファミリーだったから可能だったということもあるけどね。 プリツカー一族について少し触れておくと、ハイアット創業者のジェイ・プリツカー氏の祖父母は、1880年代にロシアや中欧で多発した「ポグロム」と呼ばれる反ユダヤの「焼き討ち」を逃れ、1881年にウクライナ・キエフからアメリカ・シカゴに移住したユダヤ系ウクライナ人移民。祖父はアメリカで弁護士となり、その三人の息子たちも後を継いで兄弟で法律事務所を営んでいたが、ジェイ・プリツカー氏の父が不動産会社を起こし、シカゴを中心に不動産投資で成功した。彼の兄弟たちも事業
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ロバート・デニーロにとってのホテルビジネス

(C)Yangsen ヤンセンです。  サッカー選手でホテルビジネスやる人はけっこう多いという話はロナウド選手の記事のときに書いたけれど、俳優で実はホテルオーナーでもあるという人も多い。たいていが自分の趣味と実益を兼ねて一軒ばかりホテルを持っているってケースだけど、なかにはビジネスとして本格的に取り組んでいる映画スターもいる。 そのひとりが、ロバート・デニーロ、77才。 二度アカデミー賞を受賞したハリウッドを代表する俳優のひとりだ。 そして、バリバリの現役のホテリエでもある。 ニューヨークのトライベッカに「グリニッジ・ホテル」客室数88室を所有しているのはよく知られているが、それとは別に、寿司職人だった松久信幸氏と共同オーナーでノブ・ホテルズというグローバル・ホテルチェーンも展開している。 デニーロほどの超有名人だったら、自分の名前を前面に出したホテル展開しても良さそうに思えるけど、彼は自分は一歩さがって黒子に徹してる形をとり、ノブを表に立てる展開を選んだ。 その理由は … 今回、イラストを描くので二人のツーショット写真を見てよくわかったね。 まず、デニーロという人は非常
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オモチャでホテルを買った男、タイ・ワーナー

(C)Yangsen ヤンセンです。 「フォーシーズンズ・ニューヨーク」といえば、建築家のI.M.ペイが設計したことでも知られるニューヨークの名門ホテル。ニューヨークにコロナの嵐が吹き荒れていた昨年春には、パンデミックと闘う医療従事者を応援したいという “奇特なオーナー” の好意により、医療関係者にホテルを無料で提供したことでも話題になったニューヨークっ子にとっては誇りのホテル。そして、フォーシーズンズ・ホテルズ&リゾーツにとっては、チェーンを代表する大事な旗艦ホテルでもある。同社がリージェントを買収したとき「いただきっ!」とほくそ笑んだ価値ある財産のひとつがこのホテルだったのだ。 ところが、この「フォーシーズンズ・ニューヨーク」がフォーシーズンズ・ホテルでなくなるかも・・・という記事が先日、ニューヨークの地元紙に出た。 そう勘ぐられている理由とは、ニューヨークではコロナによるホテルの営業停止はいちおう終わり、営業再開をはじめている同クラスのホテルがほとんどなのにもかかわらず、「フォーシーズンズ・ニューヨーク」ではそうした再開の動きが一切見られないこと。ホテルのサイトに
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ハイアットって、どんなホテルブランド? <前編>

(C)Yangsen ヤンセンです。 今回は、ハイアットのホテルブランドについて書いてみたい。 ハイアットって、いい響きだよね? なんだかキリッとシャープで洗練された感じがする。 プリツカー・ファミリーが創業家なんだけど、ハイアットの第一号ホテル、ロサンジェルス国際空港の近くのモーテル「ハイアット・ハウス」を1954年に開業したのがハイアット・ロバート・フォン・デン氏でね。そのホテルを1957年に220万ドルで買ったのが、ジェイ・プリツカー氏。買った後も名前を変えず「ハイアット・ハウス」として営業を続け、チェーンの名前もハイアットにしたってわけだから、彼もハイアットっていい名前だって思ったんだろうね。 プリツカーっていうと、建築のノーベル賞といわれるプリツカー賞が有名だけど、この賞が生まれるきっかけになったのは、1967年にアトランタに開業した「ハイアット・リージェンシー・アトランタ」だった。地元出身の建築家ジョン・ポートマン氏が設計したホテルなんだけれど、当時はじめてホテルに使われた22階吹き抜けのアトリウム・ロビーとシースルーエレベーターで人々の度肝を抜き、世界的に話題にな
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