映画の舞台になったホテル
- 「グラン・ブルー」
- 「眺めのいい部屋」
- 「泥棒成金」
- 「バラ色の選択」
- 「ホーム・アローン2」
- 「星の王子ニューヨークへ行く」
- 「メイド・イン・マンハッタン」
- 「ウォール街」
- 「ザ・ロック」
- 「グランド・ブタペスト・ホテル」
- 「デンジャラス・ビューティー1&2」
- 「プラダを着た悪魔」
- 「世界中がアイ・ラブ・ユー」
- 「インドシナ」
- 「男と女」
- 「ミッドナイト・イン・パリ」
- 「007カジノ・ロワイヤル」
- 「知りすぎていた男」
- 「ノッティングヒルの恋人」
- 「プリティーウーマン」
- 「サムウェア」
- 「オーシャンズ 11」
- 「お熱いのがお好き」
- 「007 オクトパス」
- 「ボディガード」
- 「007 ゴールド・フィンガー」
- 「シャイニング」
- 「はじまりは5つ星ホテルから」
「グラン・ブルー」
サン・ドメニコ・パレス(イタリア、シチリア島)
ラストシーンで女が男に言うセリフ ” Go, go and see, my love” 行っていいわよ、行ってらっしゃい、あなた(意訳です)で有名。ダイビングでも、恋愛でも、ライバルどうしとなる幼なじみの男同士が再会するシーンなどに使われたのがこのホテル。映画では、ホテルのレセプション、回廊がめぐるパティオ、客室などがロケの舞台になった。ホテルは14世紀に建てられた修道院を改装し1896年に創業したシチリア島を代表する老舗のホテル。独立系だったが、昨年9月、フォーシーズンズにリブランドすることになった。フォーシーズンズのスタンダードにあわせた改装を行い、運営もフォーシーズンズ・スタイルに。
「眺めのいい部屋」
ホテル・デッリ・オラフィ(イタリア、フィレンツェ)
” A Room With a View ” が原題。ホテル予約の際、眺めのいい部屋をリクエストしたい時にも使われる英語。映画は、19世紀はじめのお話。フィレンツェに旅した若き英国令嬢がホテルの客室からの眺めに不満を持ち、アルノ河に面した眺めのいい部屋にルームチェンジしたいと言ったのをきっかけに知り合った若き英国男性とのラブストーリー。英国人が経営する英国人観光客向けのペンション「ベルトリーニ」の舞台になったのがこのホテル。
「泥棒成金」
インターコンチネンタル・カールトン(フランス、カンヌ)
フランスの地中海沿岸の高級リゾート、コートダジュール。カンヌ映画祭でも知られる海辺の街カンヌを代表するゴージャス感あふれる華やかなホテル。グレース・ケリーとケイリー・グラントがドアの前で口づけしあった客室623号室は、映画監督の名前をとり「アルフレッド・ヒチコックの部屋」と名づけられている。グレース・ケリーはこの映画公開の翌年、モナコ王妃となったが、のちに自動車事故で死亡した場所は映画のロケ地だったラ・チュルビ村だった。2013年には実際にこのホテルを舞台に宝石盗難事件が発生、おおいに話題になった。133億円相当の宝石類が盗まれた。洗練した手口の映画とは異なり、こちらの賊は変装・武装して宝石の展示会場に押し入り、強盗。
「バラ色の選択」
ピエール(アメリカ、ニューヨーク)
いつか自分の理想のホテルをつくりたいという夢を持つ主人公(マイケル・J・フォックス)はニューヨークの老舗ホテルにつとめるコンシエルジュ。目をつけた物件もあり、設計図もできており、出資してくれるスポンサー探し中。ゲストに頼まれて犬に散歩をさせたりなど、コンシエルジュの日々の仕事が描かれる。チップの渡し方、もらい方なども参考に。ホテルのコンシエルジュたちがお互いにミュージカルやスポーツのチケットを持ち寄り、トレードし合うシーンがおもしろい。作中のブラッドベリーホテルの舞台になったのは、アッパーイーストの五番街に面した老舗ホテル「ピエール」(現ザ ピエール ア タージ ホテル ニューヨーク)。1981年にはフォーシーズンズが買収、2005年にインドのホテルチェーン、タージホテルズ・リゾーツ&パレスの傘下に入った。
「ホーム・アローン2」
ザ・プラザ(アメリカ、ニューヨーク)
両親とはぐれてひとりでニューヨークの名門ホテル、プラザのスイートに泊まることになった(父親のカードを使った)主人公の少年を演じたカルキン君。ホテルの使い方も心得、ルームサービスを取ったり、ホテルを使いこなすが、チップを求められてガムを渡したりする。映画撮影当時、プラザのオーナーだったトランプ前米大統領が数秒間、「ロビーはどこ?」とカルキン君に尋ねられ、「左だ」と答えるシーンに出演している。「俺を映画に出さないと撮影させない」と言われて仕方なく出した、と監督が後に述べている。
「星の王子ニューヨークへ行く」
ウォルドルフ=アストリア・ホテル(アメリカ、ニューヨーク)
アフリカのとある国の王子様が嫁探しにニューヨークを訪れ、ニューヨーカーの娘と恋に落ちるというおとぎ話的ラブコメディーだが、この王子様のファミリーのけたはずれのリッチぶりが見所のひとつ。息子のチェックに本国からニューヨークに乗り込んできた王様が、仕事をしていなかった王子様のお目付役に「罰としてウォルドルフ=アストリア・ホテルに泊まっていなさい!」というシーンがあり、お目付役はスイートルームで美女とシャンパン@バブルバス。
このホテル、ニューヨークのみならずアメリカを代表するホテルで、かつては代々の米国大統領がニューヨーク滞在時に泊まる定宿だったが、2014年に中国資本の安邦保険集団に買収されてから盗聴などを恐れてホテルを変更することになった。四分の三をコンドミニアムにする計画のためホテルはクローズされたが、その後、2018年には安邦保険集団の創業者が失脚して中国政府に拘束され、ホテルは中国政府の管理下に入った。
「メイド・イン・マンハッタン」
ルーズヴェルト・ホテル(アメリカ、ニューヨーク)
ラテン系のホテルのメイドとセレブの二世議員とのシンデレラ的ラブストーリー。ホテルのバックヤードの向こうのルームサービス用キッチン、仕立て室、メイドやスタッフたちの日常の仕事のようすやホテルの人事事情など、裏の世界がいろいろ描かれている。おもしろいのは、エンドロールの後に出てくる、リッチな老女ゲストたちが廊下に置いてあったメイドのワゴンからアメニティーをこっそり、そして、ごっそりと盗むシーン。
舞台になったルーズヴェルト・ホテルはマジソン街45丁目のミッドタウンにあり、1924年開業の老舗ホテルだったが、コロナのためオーナーであるパキスタン航空の本業の業績悪化もあり、昨年10月末をもってクローズした。
「ウォール街」
ルーズヴェルト・ホテル(アメリカ、ニューヨーク)
上記と同じルーズヴェルト・ホテルが舞台のこの映画が描いたのは金融ビジネスの世界。マイケル・ダグラス演じる主人公の投資家が、まだこの世界の経験も浅い若き証券マンに、カネの力とはどんなものかを見せつけるのに使った舞台が高級ホテルのレストラン。で、そのロケ舞台として使われたのがこのホテルで、主人公の決めセリフ 「 Greed is virtue. 強欲は美徳だ」が映える。
「ザ・ロック」
ザ・フェアモント・サンフランシスコ(アメリカ、サンフランシスコ)
ショーン・コネリー演じる主人公は元SAS大尉で、難攻不落のワン・アイランド/ワン・監獄の島、アルカトラズ島からの脱獄に成功した唯一の人物(消された存在として収監中)。その経験を買われ、テロリストがたてこもっているアルカトラズ島からの人質救出作戦に協力することになるが、いろいろ条件をつける。そのひとつが、刑務所からの移送先としてサンフランシスコの高級住宅街ノブヒルにある名門ホテル「ザ・フェアモント・サンフランシスコ」のペントハウスをリクエスト。見晴らしのいい部屋で主人公がサンフランシスコの街を眺めながら、床屋に髪を刈り髭を剃ってもらうシーンが印象的。このインルーム散髪、海外の超高級ホテルではゲストのニーズがあるためリクエスト可能なところがある。
「グランド・ブタペスト・ホテル」
架空のホテル(架空の東欧の国)
東欧にあるヨーロッパ最高峰といわれるスパ・リゾートが舞台。主人公はベテランのコンシエルジュで「ホテルの多くの特別な顧客たちが彼を目当てに来ていた」と言われる凄腕。この人の辞書にはNO はない。彼の新人ホテルマン君への本音の教育がおもしろい。「もし女性客にベッドを共にしたいと言われたら?」「寝なさい」。世界の最高級ホテルのコンシエルジュたちの間に張り巡らされたネットワークと固い絆による秘密結社も描かれる。
「デンジャラス・ビューティー1&2」
セントレジス・ニューヨーク(アメリカ、ニューヨーク)
サンドラ・ブロックががさつで同僚にも女扱いされていないFBI捜査官を演じる。潜入捜査のため、ミス・アメリカ・コンテストに候補として参加しなければならなくなった彼女を、短期間で候補に見合う女性に仕上げるために雇われたビューティー・コンサルタントとの初めての出会いの場所に使われたのが、ニューヨークの名門ホテル「セントレジス」の1Fにあり、1990年代にはフレンチの名店といわれたレストラン「レスピナス」。
「プラダを着た悪魔」
セントレジス・ニューヨーク(アメリカ、ニューヨーク)
プラザ・アテネ(フランス、パリ)
ファッション雑誌「Vogue」がモデルになっている雑誌の編集部の新入り女性が主人公。ファッション界の権威的存在である暴君の編集長の超ワガママ、無理難題に耐えて仕えて振り回される日々を描いている。編集長から彼女の子供のために「ハリーポッター」の発売前(!)の原稿の入手を厳命され、受け取るためにライターとホテルのバーで会うシーンの舞台となったのが「セントレジス」の「キング・コール・バー」。ウォッカをトマトジュースで割ったカクテル、ブラッディ・マリーは1934年に、このバーのバーテンダーによって発案された、と言われている。
パリ出張の際に編集長と泊まったホテルは「プラザ・アテネ」。編集部のスタッフが彼女のために用意してくれた、あらゆるシーンに合わせた洋服のコーディネイト・プラン&メイク・プランは、ホテル滞在時のTPOに合わせたファッション・コーディネイトの参考になる。
「世界中がアイ・ラブ・ユー」
グリッティ・パレス(イタリア、ヴェネチア)
リッツ(フランス、パリ)
バツイチ同士の中年カップルとそれぞれの前夫に前妻、連れ子、みんなひっくるめてそれぞれ恋している、という物語。ウッディ・アレン監督の映画なので、彼のホテル趣味が色濃く出ている。ヴェネチアのシーンで舞台になっている「グリッティ・パレス」はウッディ・アレンの定宿でいつも「ヘミングウェイ・スイート」に泊まっている。パリのラストシーンで、クリスマスに家族みんなで過ごすホテルは「リッツ」。
「インドシナ」
ホテル・コンチネンタル・サイゴン(ベトナム、ホーチミン)
フランスの植民地時代だった1930年代のベトナムが舞台。カトリーヌ・ドヌーヴ演じる主人公女性がホテルのオープンテラス・カフェで語り合うシーンに使われたのがこのホテルで、フランス統治時代の1880年に開業したフレンチ・コロニアル様式のホテル。ベトナム戦争の間もニューズウィークやタイム誌がここにオフィスを置き、外国人ジャーナリストやビジネスマン、政治家などが集い、ここのバーに来れば誰かに会える、そんなホテルだった。作家のグレアム・グリーンは214号室にしばらく滞在し、「静かなアメリカ人」として映画化もされた小説「おとなしいアメリカ人」を書いた。
「男と女」
ノルマンディー・バリエール(フランス、ドーヴィル)
「ミッドナイト・イン・パリ」
リッツ・パリ(フランス、パリ)
「007カジノ・ロワイヤル」
ベルモンドホテル・チプリアーニ&パラッツォ(イタリア、ヴェネチア)
「知りすぎていた男」
ラ・マムーニア(モロッコ、マラケシュ)
「ノッティングヒルの恋人」
ザ・リッツ(イギリス、ロンドン)
「プリティーウーマン」
ビバリーウィルシャー ア・フォーシーズンズ・ホテル(アメリカ、ロサンジェルス)
「サムウェア」
シャトー・マーモント(アメリカ、ロサンジェルス)
「オーシャンズ 11」
ベラッジオ(アメリカ、ラスヴェガス)
「お熱いのがお好き」
ホテル・デル・コロナード(アメリカ、サンディエゴ)
「007 オクトパス」
タージ・レイクパレス(インド、ウダイプール)
「ボディガード」
ミレニアム・ビルトモア・ホテル・ロサンジェルス(アメリカ、ロサンジェルス)
「007 ゴールド・フィンガー」
フォンテンブロー・マイアミ・ビーチ(アメリカ、マイアミ)
「シャイニング」
ティンバーライン・ロッジ(アメリカ、オレゴン州)
「はじまりは5つ星ホテルから」
オテル・ドゥ・クリヨン(フランス、パリ)
フォンテヴェルデ・タスカン・リゾート&スパ(イタリア、トスカーナ)
ボルゴ・イグナシア(イタリア、プーリア州)
ホテル・アドロン・ケンビンスキー(ドイツ、ベルリン)
グシュタード・パレス(スイス、グシュタード)
パレ・ナマスカ(モロッコ、マラケシュ)
ザ・プリ・ホテル・アンド・スパ(中国、上海)